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頑張れ!家電リサイクル法!

「リサイクル費用が後払い」のシステムだから・・・

【閑話休題】
ほとんど使用していない書斎に取り付けたエアコンが壊れた。

まあ、買って15年も経つので修理するには年月が経ちすぎているし、買い替えの予定もないのでどうしようかと思ってネットを検索したら、エアコンは家電リサイクル法という法律により、4,000円ほどのリサイクル費用に加えて運搬費用を自分で負担して、電気屋さんに回収してもらわなければいけないらしい。

ただし電気屋さんには、自分で販売したエアコンかあるいはエアコンを買い換える場合は、古いエアコンを回収する義務はあるが、それ以外は断ることもできるらしい。

壊れたエアコンは10年前にこの家に引っ越してきたときに持ってきたもので、購入した電気屋さんはこの家から1000km以上も離れているから、そこに引き取りを頼んだら運賃の負担だけで新しいエアコンが買えそうだ。

廃品回収車 (2)いっそのこと自分でエアコンを壁から取り外し、粗大ごみとして市に引き取ってもらおうと市役所に電話をしたら、市では家電リサイクル法の対象となる廃家電は回収しないので、郵便局で家電リサイクル券を購入して自分で「指定引取所」に持ち込んで下さいと言われた。

「どうして廃棄するモノに、お金を払う必要があるのか?」

と思っていたところ、偶然にも 『不用品回収します。斉藤商会に全部お任せ!』 のポスティングちらしを見つけた。

さっそくフリーダイヤルの番号に電話をしたら意外と愛想のよい、何かスポーツでもやっていそうな立派な体格の回収業者さんが軽トラでやってきた。

「斉藤商会の大西です~。今日は電話ありがと~(↑)」

なぜか関西弁だ。

「取り外したエアコンは、後で返してな言うても返品できひんのでよろしく~!」

と言って、早々にエアコンの取り外し作業を始めた。

「これ、外したエアコン、斉藤商会さんではどうするんですか?」

と大西さんに聞いてみようと思ったら、突然エアコンからシューと気体が漏れるような音が。

「あ~、大丈夫、大丈夫です~」

大西さんはあわてる様子もなく、黙々と作業を続けている。

ポスティングのチラシには、『無料で回収します』と書いてあったけど、

「おっさんナニゆーてんねん! 取り外し費用は無料とは書いてないやろ~」

とか言われて高額な費用を請求してきたらどうしようと考えていたら、

「終わりました。おおきに、ありがとう ‼ 他にいらへん家電があれば一緒に持っていきまっせ。」

と言って、なんと壊れて物置にしまってあった小型テレビも一緒に軽トラの荷台に積み込んで帰っていった。

不用品回収業者に持っていってもらえば済むのであれば、家電リサイクル法ってナニ?と思わずにはいられない1日だった。

※この物語はフィクションです。登場人物その他の設定はすべて架空のものです。

迷子の家電4品目を廃棄するには?

家電リサイクル法では、家電の小売業者が次のふたつのどちらかに該当する場合であって、顧客から回収の依頼を受けたときは、特定家電4品目(エアコン、テレビ、洗濯機、冷蔵庫)を引き取る義務がある(断ることができない)と規定されています。

  1. 過去に販売した特定家電である場合
  2. 同じ種類の特定家電を新しく販売する場合

ところが、特定家電を廃棄しようとした場合で、購入した電気屋さんが廃業していたり、それが贈り物だったりして電気屋さんが特定できない場合は、回収の依頼を受けた近所の電気屋さんは、「新しく買い替えないのであれば、回収しません。」と断ることができます。

このように迷子になっている廃家電4品目の処理はどうすればいいのでしょうか?

全国の市町村ではどのような回収体制を構築しているのでしょうか?

環境省の最近の調査(令和3年1月)では、小売業者に引取義務が課せられていない廃家電の回収体制を構築している自治体は、全市区町村の86.1%にあたる1,499自治体だそうです。

郵便局で家電リサイクル券を購入した上で、自分で「指定引取所」に持ち込むことになっている自治体が、全体の14%もあるということです。

なるほどこれでは不用品回収業者さんが忙しいはずです。

頑張れ!家電リサイクル法!

ちなみに私の事務所のある横浜市では、家電小売店に引き取り義務のない廃家電4品目については、『横浜家電リサイクル推進協会』又は『家電リサイクル協力店』に引き取りを依頼できるシステムになっています(もちろんリサイクル料金と運搬費用の負担はあります)。

家電リサイクル法の概要はこちらをどうぞ >>> 早わかり”家電リサイクル法”

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