医療機関等から排出される廃棄物の分類
医療関係機関等において発生する廃棄物は、次の3つに区分して管理してそれぞれを適切な委託先に処理を委託する必要があります。
●医療機関から排出される廃棄物の種類
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『医療機関等』とは、次の施設を指します(令別表第1の4の項、規則第1条第5項)。
●医療機関等の定義 |
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参考 ⇒ 廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル(環境省ガイドライン)
このマニュアルは、「廃棄物分野における新型コロナウイルス感染症の拡大への対応の経験」をもとに2022年6月30日に改訂されました。
また、使用されている専門用語も「病原微生物」が「病原体」に、「人畜共通感染症」が「人獣共通感染症」に変更されています。
1.感染性廃棄物(特別管理一般廃棄物と特別管理産業廃棄物)
感染性病原体が含まれ、若しくは付着している廃棄物又はこれらのおそれのある廃棄物を「感染性廃棄物」といいます。
さらに「感染性廃棄物」は「感染性一般廃棄物(特別管理一般廃棄物)」と「感染性産業廃棄物(特別管理産業廃棄物:品目=感染性産業廃棄物)」に分けられます。
「感染性一般廃棄物(特別管理一般廃棄物)」と「感染性産業廃棄物(特別管理産業廃棄物)」は、区分しないで収集運搬することができると法定されていますので、これらを混合して特別管理産業廃棄物(品目=感染性産業廃棄物)処理業者(収集運搬業者、中間処理業者)に委託することができます。
※【補足説明】
廃棄物処理法では原則、一廃と産廃は混ぜてはいけないことになっていますが、「ばいじん」と「感染性廃棄物」のふたつは、特管産廃の業の許可で特管一廃の「ばいじん」と「感染性廃棄物」を取り扱うことができると規定されています(廃棄物処理法第14条の4第17項、規則第10条の20)。
●感染性の有無の判断
環境省のガイドラインでは、「感染性廃棄物」の該否の判断は、廃棄物の「形状」、「排出場所」、「感染症の種類」など順にステップを踏んで客観的に判断することを基本としています。
それでも客観的な判断ができない場合は、最終的に専門家である医師等の判断に委ねるということになります。
◇「感染性廃棄物」の判断フローシート |
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感染性一般廃棄物の例としては、「臓器、血液等が多量に付着したガーゼ・脱脂綿・リネン類」などで、感染性産業廃棄物の例としては、注射針、メス、破損したガラス製品等鋭利なもの、血液、血液が含まれるチューブなどがあります。
これらの感染性廃棄物については、次項の「2.非感染性産業廃棄物」とを分別することによって感染リスクがある場合など、分別が困難な場合には、全体を感染性産業廃棄物(特別管理産業廃棄物)として併せて処理することができますので、感染性産業廃棄物の許可のある特別管理産業廃棄物処理業者に委託します。
●バイオハザードマークによる管理
環境省ガイドラインでは、感染性廃棄物については、廃棄物の取扱者に廃棄物の種類が判別しやすく、梱包やその後の処理が安全かつ適正に行うことができるようにするため、廃棄物の性状に応じて次の3種類に区分して容器に密閉し、性状に応じた色のバイオハザードマークを付けることを推奨しています。
◇バイオハザードマークの使い分け
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●感染性産業廃棄物(特別管理産業廃棄物)の運搬車両
感染性産業廃棄物の収集運搬車両には、廃棄物の腐敗を抑制するために、保冷のための措置(冷凍冷蔵車又は保冷車)が必要になります。
都道府県によって違いがありますが、おおむね以下のような要件になっています。
2.非感染性産業廃棄物
上記1の感染性廃棄物に該当しない、「非感染性」の産業廃棄物をいいます。
診察室などで発生する血液等の付着の程度が少ない、廃プラスチック類、ガラス・陶磁器くず、廃酸、廃アルカリ等で、許可のある産業廃棄物処理業者に委託します(「専ら物」を除きます)。
非感染性廃棄物を、感染性廃棄物と分別することによって感染リスクが生じる場合や、分別が困難な場合には、全体を感染性産業廃棄物(特別管理産業廃棄物)として併せて処理することができます。
3.非感染性事業系一般廃棄物
医療行為等以外の事業活動により排出される「非感染性廃棄物」の一般廃棄物で、具体的には診察室や待合室などで発生する紙くず、血液等の付着の程度が少ないガーゼ、包帯、脱脂綿等をいいます。
市町村の定めるところにより事業系ごみとして市町村に処理委託、又は許可のある一般廃棄物処理業者に委託します(「専ら物」を除きます)。
他社の依頼を受けて産業廃棄物を運搬する場合は、『産業廃棄物収集運搬業許可』が必要です。
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