廃棄物を売る? 廃棄物を買う?
一般的に廃棄物は、それを排出したひとが処理費用を負担して他人に処理を任せますが、その廃棄物を買い取りそれを原料にしてある付加価値をつけて第三者に販売するという、リサイクル事業のビジネスモデルがあります。
今まで産廃処理費用として毎月2万円支出していたのに、「来月からは2,000円で買い取ります」という業者さんからのオッファ―があったとしたら、差し引き22,000円のプラス、そんなおいしい話しはありません。
手元マイナス(逆有償)とは、「一般的には廃棄物」と思われるものをリサイクル業者に買ってもらうという状況下で起こる事象なのですが、下の図で説明いたします。
「排出事業者A」の廃棄物を「購入企業C」が1,000円/kg円で購入しますが、Aが受け取る売却代金が、Aが「運送業者B」に支払う運送費1,500円/kg円を下回るため(又は同額)、全体として「排出事業者A」に500円/kgのコスト負担(又はプラスマイナス0)が生じる場合 を手元マイナス(逆有償)といいます。
「排出事業者A」が自社では不要になったあるモノを第3者に販売した場合、「販売価格からこれに要した経費を差し引きして、1円以上の利益を出すことができない状態」が手元マイナス(逆有償)です。
手元マイナスの場合、排出物は有価物?廃棄物?
結論から言いますと、『手元マイナスの場合は、常に廃棄物とみなされるわけではないが、有価物であるという抗弁ができない限り、廃棄物として運用した方が安全である』となります。
環境省の通知では、次のように示されています。
●環境省の通知【平成25年3月29日付けの通知(環廃産発第 130329111号)】の抜粋 通知の全文はこちら ↓↓↓ |
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正直思わず「うーん」と唸ってしまう、わかったようでわからない通知の内容ですが、これを冒頭の図にあてはめてもう少しわかりやすく表現すると以下のようになります。
●環境省の通知【平成25年3月29日付けの通知(環廃産発第 130329111号)】の解釈
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(手元マイナス)=(廃棄物)とは限らなし、 (手元プラス)=(有価物)とも限らない
手元マイナスの場合であっても、(手元マイナス)=(廃棄物)と言い切ってはいないところが実はポイントなのです。
総合判断説によれば、「取引価格の有無」は有価物か廃棄物かの判断をする判断基準のひとつにすぎないので、「手元マイナスなら廃棄物、手元プラスなら有価物」と一元的に決めつけるのではなく、廃棄物処理法を適用するか否かは、最終的には「総合判断説」に則って判断してくださいといっています。
逆を返せば、明らかに手元プラスの状態で販売したものでも、売却先の取扱い状況が悪く、不法投棄や汚染の発生などがあった場合、有価で販売したものであっても廃棄物であると判断される可能性があるということになります。
有価で販売されたものが、どのような企業にどんな状況で取り扱われているかを確認するために、一年に一度ぐらいは現地を訪問する手間は惜しまないほうがよいかもしれません。
いずれにしても、手元マイナス(逆有償)になっている場合、有価物だと抗弁できる材料がない以上は、産業廃棄物として運用する(収集運搬業許可を有するBに運搬委託する)必要があります。
「総合判断説」の詳細はこちら >>> 廃棄物と有価物の境い目は?
手元マイナスの場合で廃棄物と判断された時の運用
間違った運用の事例 >>> リサイクル偽装の裏側には何がある
「リスクを回避するために産業廃棄物収集運搬業許可を取得しておいた方がいいかな~」と思われた業者さんは、以下を参考にどうぞ。 >>> 許可取得までの流れ 他社の依頼を受けて産業廃棄物を運搬する場合は、『産業廃棄物収集運搬業許可』が必要です。 産廃許可なら横浜市の産廃専門 Y&Y行政書士事務所に全部お任せ下さい! |
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