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建設業者さん必見!許可が必要なのは誰?その③

【6】その他 (建設工事で留意すべきポイント)

建設工事の注文者(発注者)は排出事業者になれない

以下のような特殊なケースについて考察してみましょう。

解体工事の注文者(発注者)Aが、建設業者B工務店に建築物の解体工事を依頼しました。

解体される建築物に、鉄や銅など有価で売却できそうな建材が多く使用されていることから、Aは鉄や銅を鉄くず業者に売却しようと考えました。

Aから「鉄くず業者が回収に来るので、鉄や銅だけ現場の隅にまとめておいて。」と依頼されたB工務店は、言われたとおり鉄くずを現場の一角に放置して工事を完了させましたが、果たしてこれは法律上問題はないのでしょうか。

建設工事によって発生した鉄くずの排出事業者は、Aから最初に直接注文を受けた元請業者のB工務店以外にはなれません。

現場に放置した鉄くずは元はといえば注文者(発注者)Aのものだったのですが、解体工事の請負契約を締結した時点で鉄くずはB工務店のものです。

このケースの場合、B工務店は自分の廃棄物を自社の管理地でない(使用権限のない)土地に放置したことになり、これは紛れもなく「不法投棄」の状態です。

何か不測の事態が生じた時に「Aからの依頼でそこに置いただけ」というB工務店の主張が通らない可能性があります。

それでもどうしてもAの要求をのまざる得ない場合は、AがBから鉄くずを有価物として買い取る内容の売買契約を締結するなど、何らかのリスク回避の措置を講じておく必要があります。

元請業者のB工務店にしてみるとメリットよりもリスクがはるかに大きいので、安請け合いしない方が良いかもしれません。

解体工事における「残置物」の処理

残置物 (2)解体する建築物内に残された不要物を「残置物」といいますが、残置物の処理責任は建築物の所有者(発注者)にありますので、「残置物=建設廃棄物」ではありません。

建設リサイクル法では、事前調査により残置物の有無を調査することとなっており、残置物が残されている場合は、発注者に対し事前撤去を依頼しなければならないと定められています。

残置物には一般廃棄物に該当するものと、産業廃棄物に該当するものがあり、産業廃棄物収集運搬業許可を有する解体業者さんが、安易に建設廃棄物と一緒に収集運搬することはできませんので、解体工事の契約時点で残置物の処理をどうするかをきちんと取決めする必要があります。

詳細はこちら >>> これって産廃?一廃?

ジョイントベンチャー(JV)、建設工事組合の場合

●ジョイントベンチャー(JV)

建設工事を複数企業の共同体(JV)で請け負った場合、工事の請負契約は各社が連名で締結するか、幹事会社が代表して締結することになりますが、個々の企業が建設廃棄物の排出事業者となります。

排出事業者が複数いるということですので、処理委託契約書も各社が連名で締結するのが基本です。

マニフェストの排出事業者欄には、法人格がないJV名ではなく、幹事会社とJV名の併記するほうがよいでしょう。

また、個々の企業が自社運搬・処分しても、問題ありません。

●建設工事組合

法人格を持つ建設工事組合が元請になる場合は、組合が排出事業者になりますので、委託契約書もマニフェストも組合名義で行ないます。

組合の構成員として傘下の工事業者が建設廃棄物を運搬する場合は、自ら運搬と考えて収集運搬業の許可は必要ありません。

建設廃棄物の委託契約書は現場ごとに作成する?

契約書に押印建設廃棄物は、複数の工事現場から同時に発生することがありますが、処理委託契約書をそれぞれの現場ごとに作成する必要はありません。

産業廃棄物の「発生場所」は、処理委託契約書の法定記載事項ではないので、発生現場が違うだけで「同じ排出事業者(元請)」「同じ処理業者」「同じ委託料金」で契約する場合は、工事現場を個々に特定する必要がないので、例えば「神奈川県内の工事現場」という表記で問題はありません。

委託契約書の詳細はこちら >>> 産廃の委託契約書

◆まとめ

  1. 建設工事で排出された建設廃棄物の排出事業者は、唯一無二『元請業者』です。
  2. 『下請業者』または『孫請業者』が産廃を運ぶ場合、収集運搬業許可が必要です。
  3. 下請業者が収集運搬業許可なしに自ら運搬できる例外規定がありますが、その運用は極めて困難です。

建設業者さんへ2

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