◆新規で許可を取得する場合の4つの要件
産業廃棄物収集運搬業の許可を新規で取得する際には、以下の「ヒト」「技術」「モノ」「カネ」に関する4つの要件をすべてクリアする必要があります。
まずはご自身にあてはめて、チェックしてみてください。
●許可の4要件
- 【ヒト】 個人、法人の役員等が欠格要件に該当しないこと
- 成年被後見人等に該当しない。
- 過去5年間に禁固刑や特定の罪で罰金刑に受けていない。
- 過去5年間に廃棄物処理業許可を取り消されたことはない。
- 【技術】 産業廃棄物の収集・運搬に必要な知識・技能を有すること(指定講習会の受講)
- 役員が指定講習会を受講・受験し、修了証を有している。
- 【モノ】 適切な運搬施設(運搬車両、車庫、容器)が準備されている
- 運搬車両を1台以上所有している。
- 運搬車両の駐車場がある。
- 廃棄物に合わせた適切な運搬容器がある。
- 【カネ】 会社の財務基盤がしっかりしている
- 事業開始に要する十分な資金が準備されている。
- 直近の決算で法人税(個人の場合は所得税)を1円以上納めている。
- 法人税(個人の場合は所得税)の滞納が無い。
- 直近の決算で経常利益が計上できている(プラスである)。
- 債務超過でなく、自己資本比率が10%以上である。
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いかがでしたか?
これらの4要件のチェック項目に全部☑が付いた場合は、許可が取れると考えてもよいでしょう。
チェックが付かなかった場合でも、あきらめる必要はありません。
解決策がありますので、要件をひとつずつ詳細に検討してみましょう。
【1】対象者が欠格要件に該当しないこと
欠格要件に該当するのかどうか定かでない場合は、どうぞご遠慮無く当事務所にお電話を! 電話:045-513-1448
欠格要件の対象者
《法人の場合》
- 法人自体
- 役員(役員の他に監査役、相談役、顧問も含む)
- 持ち株比率5%以上の株主
- 政令使用人
《個人事業主の場合》
- 個人事業主本人
- 政令使用人
※【持ち株比率 5%以上の株主とは】
直近の「確定申告書 別表2」に株主の情報が掲載されています。
発行株式総数の5%以上を保有する株主(個人又は法人)が対象になります。
※【政令使用人(令第6条の10に規定する使用人)とは】
使用人として登記済の者の他、申請者の使用人で次に掲げる事務所等の代表者(平たく言うと支店長のこと)をいいます。
- 本店又は支店
- 継続的に業務を行う事ができる施設を有する場所で、廃棄物の収集、運搬又は処分 若しくは再生の業に係る契約を締結する権限を有する者
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8項目の欠格要件すべてに該当しないこと
欠格要件には、以下に示す8項目しかありません。
許可取得の大事なポイントですから、1項目ずつチェックをしてこの8項目全部に該当しないことを確認してください(何のことやらわからん!という方はお電話を)。
●欠格要件8項目
- 暴力団員又は暴力団員を辞めてから5年を経過していない人がいる
- 暴力団員がその事業活動を支配している法人
- 成年被後見人・被保佐人・破産者で復権を得ない人がいる
- 禁錮刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない人がいる
※禁固刑以上の刑に対し刑の「執行猶予」の言渡しを受けた後、その言渡しを取り消されることなく猶予期間を経過した者については、有罪の言渡しの効力そのものが消滅しますので、その消滅と同時に欠格事由に該当しなくなりますから、5年を経過しなくても許可を受けることができます。
※ただし、すでに産廃収集運搬許可を持っている個人業主又は法人の役員の方が、禁固刑以上の刑に対し刑の「執行猶予」の言渡しを受けた場合であっても、判決が確定した時点で許可の取り消し事由に該当しますので、産廃収集運搬許可が取り消され、その後5年間は許可を受けることができません(欠格要件8項目の7番目にリンクしています)。
- 次に掲げる法令等に違反し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない人がいる時
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
- 浄化槽法
- 大気汚染防止法
- 騒音規制法
- 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律
- 水質汚濁防止法
- 悪臭防止法
- 振動規制法
- 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律
- ダイオキシン類対策特別措置法
- ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法
- 次に掲げる罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない人がいる
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(第31条第7項を除く。)
- 刑法第204条(傷害罪)
- 刑法第206条(現場助勢罪)
- 刑法第208条(暴行罪)
- 刑法第208条の3(凶器準備集合及び結集罪)
- 刑法第222条(脅迫罪)
- 刑法第247条(背任罪)
- 暴力行為等処罰に関する法律
- 次に掲げる許可を取り消された場合、その取消しの日から5年を経過しない人がいる、またはその法人。
法人であって許可取消し処分に関する行政手続法上の通知(聴聞の期日及び場所)の公示日前60日以内にその法人の役員等であって、その取消しの日から5年を経過していない人がいる時
- 一般廃棄物収集運搬・処分業の許可の取消し
- (特別管理)産業廃棄物収集運搬・処分業の許可の取消し
- 浄化槽法第41条第2項による許可の取消し
- 7に掲げる許可の取り消しに該当するとして、取消し処分に関する行政手続法上の通知(聴聞の期日及び場所)の公示日から、処分をするかしないかを決定するまでの間に廃業等の届出をした者で、届出の日から5年を経過していない人がいる、またはその法人。
法人が廃業等の届出をした場合は、聴聞の公示日前60日以内にその法人の役員等であって、その届出の日から5年を経過していない人がいる
※「聴聞(ちょうもん)」
行政庁が「許可取消し処分」のような、企業や個人にとってはとても大事な権利を失う、いわば不利益をもたらすような処分(不利益処分)を下す場合、処分を下す前に事前に行政庁に出向いてもらって「言い訳、弁明」を聞きましょうという法律上の決まりがあります。
※「刑罰の種類」
日本には7段階の刑罰があります(すべて前科がつきます)。
- 死刑
- 懲役(拘置所で働く事を強制される)
- 禁固(拘置所で働く事を強制されない)
- 罰金(1万円以上)
- 拘留(逮捕され起訴または不起訴が決まるまで留置場に拘束される「勾留」ではありません)
- 科料(千円以上1万円未満)
- 没収(上記の主刑に付加される付加刑で単独で科されることはありません)
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参照 >>> あまりにも恐ろしい欠格要件の話し