現在自社でやっている廃棄物の管理が、適法なのかそうでないのか定かでない場合は、どうぞご遠慮無く当事務所にお電話を! 電話:045-513-1448
【1】普段やっているそれは、違法行為かも‼
「当社はコンプライアンス重視で廃棄物管理をしている」と太鼓判を押せますか?
建設業者さんの社長さんに産廃の管理についてお聞きすると、「当然我が社はコンプライアンス重視で産廃を管理している」とお答えになるのですが、以外に基本的なところでコンプライアンス違反をされているケースがあります。
このコラムにお越しいただいた建設業者さんに提案があります。
以下にあります『コンプライアンス診断テスト』にトライをしてみて下さい。
正解された建設業者さんはこれ以上このコラムを読み進めていただく必要はありませんので、他のコラムをのぞいてみて下さい。
惜しくも不正解であった建設業者さんのみ、引き続きお付き合いください。
正解は、『4と6以外はすべて、産業廃棄物収集運搬業許可がないと運搬できない』 です。
しかも5のケースは、『積替え保管の許可』が必要です。
「うちの事務所の駐車場のコンテナには、元請けのとき下請けのとき関係なく、現場で出た産廃が一緒くたに入ってますけど何か?」
建設業者さん!大丈夫ですか?
普通にやっていませんか?
無許可で収集運搬した場合、「5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金又はそれの併科」という重たい罰則の対象になります。
【2】建設廃棄物の不法投棄は、
責任の所在の曖昧さが原因だった
建設廃棄物の排出事業者は『元請業者』です
不法投棄件数の圧倒的第一位は、建設工事現場から発生する建設廃棄物なのはご存じのとおりですが、これは建設業界特有の階層構造によって廃棄物の処理責任が曖昧になってしまうことが原因であろうと考えられてきました。
廃棄物処理法が制定された昭和45年当時から、度々旧厚生省が「排出事業者は元請である」ことの通知を出していましたが、平成22年の法改正で排出事業者は元請業者と正式に条文化し処理責任を明確にしたのです。
●廃棄物処理法第21条の3 第1項 |
---|
『元請業者』 = 『建設業者』 とは限らない!
たとえ下請業者のみが施工に携わる工事で、その工事から排出された建設廃棄物であっても、「注文者(発注者)から最初に直接注文を受けた建設工事を請負う営業を営む者」のみが排出事業者になります。
ということは、元請業者は常に建設業者とは限らず、設計事務所や家電量販店なども、建設工事の注文者から最初に受けた場合は、元請業者となりえますので注意が必要です。
ただし『建設現場での廃棄物の保管』に関しては、下請業者も排出事業者とみなされますので「保管基準」の遵守義務があり、遵守されない場合は改善命令の対象になります(廃棄物処理法第21条の3第2項)。
排出事業者である元請業者自らが建設廃棄物を運搬する場合は『自社運搬』になるので、下請には入らず「未来永劫元請一筋で」という建設業者さんは産廃収集運搬業許可は不要です。
自社運搬の留意点はこちら >>> 自社運搬は許可不要ですが・・・
『両罰規定のある罰則』が適用されます
建設現場の産廃を元請業者が自社運搬せずに下請業者に委託する場合は、下請業者が建設廃棄物を排出事業者として自ら運搬や処理委託をすることはできませんので、下請業者は収集運搬業許可の取得が必要になります。
下請業者から工事の一部を請け負った『孫請業者』が建設現場の産廃を収集運搬する場合も、排出事業者である元請業者から委託を受けて収集運搬するということになりますので、やはり孫請業者も収集運搬業許可の取得が必要になります。
排出事業者である元請業者は、下請業者または孫請業者とは収集運搬の委託契約を、処分業者とは処理委託契約をそれぞれ締結し、マニフェストを交付しなければなりません。
孫請業者は下請業者と委託契約を締結するわけではなく、あくまでも元請業者と締結します。
下請業者(孫請業者)が産廃収集運搬業許可を受けずに建設廃棄物を収集運搬した場合、当事者はもちろん元請業者にも罰則が適用されます。
この罰則は、廃棄物処理法では一番重たい「不法投棄」や「不法焼却(野焼き)」などと同じランク付けとなっています。
●【罰則】 行為者(従業員)には5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金又はこれの併科
|
---|
なお、この場合であっても処理を受託した中間処理業者は違法ではありませんので、処理を受託する際にはこれまでどおり自社の許可の範囲内で受託すれば何ら問題有りません。
ただし、中間処理業者には「マニフェストを受け取る義務」がありますので、受け取らずに産業廃棄物の引き渡しを受けると、6ヶ月以下の懲役若しくは50万円以下の罰金の対象になりますので、処理業許可と処理施設設置許可の両方が取り消されます。
下請業者(孫請業者)が勝手に運んだわけで、
元請の私に責任は・・・は通りません
建設工事の元請業者が下請業者(孫請業者)に産業廃棄物の処理を指示した場合は、委託基準の適用を受けることになりますが、元請業者が全く知らない間に、下請業者や孫請業者が処理若しくは処理委託をした場合は、どうなるのでしょうか。
2010年の法改正により、この場合でも元請業者が措置命令の対象になります。
下請業者(孫請業者)が「自ら処分、運搬を行なった」「委託基準違反をした」「マニフェスト関連の義務違反をした」場合でも、知らなかったでは通らず、連帯責任となりますので、建設工事現場から排出される廃棄物に対し、しっかりと指揮監督する必要があります。
「措置命令」とは >>> 行政指導と行政処分
【3】そこには受注機会のアップが待ってます
許可取得の目的は『コンプライアンス遵守』だけではありません
さて、記事が長くなりましたので、続きは 建設業者さん必見!許可が必要なのは誰?その② のコラムをどうぞ。
『産業廃棄物収集運搬業許可』が必要となった建設業の下請け業者さん!
産廃許可なら横浜市の産廃専門 Y&Y行政書士事務所に全部お任せ下さい! 建設業許可取得のお手伝いもいたします。 |
---|