「水銀に関する水俣条約」の発効で思ったこと
2017年8月16日に「水銀に関する水俣条約」が日本国内で発効しました。
この条約では、水銀の人為的排出量を削減し地球的規模の水銀汚染防止を図ることを目的に、水銀の一次採掘から貿易、水銀添加製品や製造工程での水銀利用、大気への排出や水・土壌への放出、水銀廃棄物に至るまで、その扱いが大きく規制されることになります。
これに先立って2017年6月9日に環境省は廃棄物処理法の施行規則の一部を改正する省令を公布、平成29年10月1日からは身近な「水銀使用製品」が廃棄物になった時の処理の方法が細かく規制されることになりました。
改正の詳細は下記の記事に譲り、ここでは「水銀廃棄物」と「魚介類」に関しての他愛のない話しを紹介いたします。
施行規則改正の詳細はこちら >>> 水銀廃棄物の取扱いがおおきく変わりました!
地球規模の壮大な水銀の循環
下の図は、環境省が行なった規則改正の説明会で使用した資料の抜粋で、地球規模の水銀の循環を図式にしたものです(環境省のHPにあります)。
金属水銀は海や湖沼に流れ込み、水中の微生物の作用により毒性の強いメチル水銀などの「有機水銀」に変化しますが、これらを高濃度に暴露することで引き起こされる、神経障害や発達障害などの健康被害が「水俣病」です。
日本人は欧米人に比べて体内に蓄積した有機水銀の量が多いという研究データを何かの本で読んだのですが、上に掲げた「地球規模の水銀循環」の図を見て納得です。
日本人はマグロがだーいすき!
海に流れ込んだ金属水銀は、有機水銀へと形を変え、プランクトン⇒小魚⇒大型魚類といった水生生物の食物連鎖によって濃縮され、特にマグロ、カジキなどの大型魚類やクジラそして煮付けにするとおいしいキンメダイなどの深海魚に比較的高濃度に蓄積されていきます(よく言われる生物濃縮のことですね)。
何といっても日本人は全世界のマグロ(缶詰等の加工品を含む)の4分の1を消費する「マグロ大好き民族」ですから、どうしても水銀を体内に取り込んでしまうのですね。
※マグロ=(クロマグロ+ミナミマグロ+メバチマグロ+キハダマグロ)
それでは、今日から魚介類の摂取量を減らした方がいいのか?
北海道立衛生研究所の高橋哲夫先生のレポートに「妊婦が一週間に食べてよい量と回数の目安」という記述がありましたのでご紹介します。
※なぜ妊婦かというのは、胎児の発育中の脳は有機水銀に対する感受性が高いため、比較的低濃度の暴露であってもその影響が懸念されているからです。
●1回の食事で80g/週1回まで(1週間に80g)
☆特には注意が必要でない魚
詳細は厚生労働省のHPにありますので、妊婦の方は一度チェックしてみてください。 |
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高橋先生曰く、「普通の子供や大人についてはこれらの数値を気にする必要はなく、いろいろな種類の魚介類をバランスよく適量に摂取することが大事である」ということです。
確かに魚介類の有機水銀を心配するよりも、自然界には存在しない合成された添加物などの方を気にするべきかもしれません。
それにマグロは、オメガ3脂肪酸であるEPAとDHAが豊富に含まれているということですし。
まあ、私などはここ数ヵ月クロマグロ君を口にしていないので、心配のしようがないのですが・・・・・。
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